2011li-fin
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今日着ているこのツイードのジャケットもリフィンの新商品……別府 そうだったのですね。襟の部分が柔らかくて、開き具合もちょうどいい。ジャケットでもラフすぎず、礼節感もあるし、先ほどから素敵だと思っておりました(笑)。制服の力って大きいなと、礼儀マナーを教える場でもよく感じます。ある和食店では、着物の時には全員口紅を赤くすると、意志の統一ができると伺いました。また、ある高級車のショールームでは、土日だけ髪型を同じにする店舗もあるそうです。口紅や髪型を同じにすることで、同じ気持ちでお客様に接することができるというのですね。市川 私も最初は葬儀相談員だから黒いスーツと思っていたのですが、相手が居心地がよくてくつろげる服の方がいいのではないかと、カチッとしすぎないグレ―のジャケットとか時にはカーディガンあたりに落ち着きました。別府 大切なのは相手のことを考える、ということですね。有木 この人だったら、わかってもらえる、という共感をもっていただけるかどうかが第一印象で大切なのでしょうね。別府さんは一般企業から飲食店まで、幅広い業界でマナーを教えていらっしゃいますが、特に葬儀や結婚式で気になるマナーがおありですか?別府 私がとても気になるのが「音」ですね。足音や、動作にともなう様々な音。以前、結婚式場で働く方たちの研修を、大理石のフロア会場で行ったことがあります。ご起立お願いいたします、と言うと40〜50名がいっせいに椅子を引く音が、それはものすごい大音響(笑)。厳粛さを必要とする結婚式、それに携わる皆様に、音に対する気遣いがなくてどうするんですか、と。小笠原流では「音の慎み」というのですが、音を慎む気持ちがあれば、すべての動作にその気遣いが波及していくという意味です。有木 そうですね、仕草も何もかも…。市川 よく似た事例で、葬儀社さんからこんな質問を受けたことがあります。立ち話をしているスタッフがいるとお客様からクレームがあった。聞いてみると立ちではなく男性も対象に開発していただきたいと思います。市川 いま伸びている会社って、葬儀社対お客様、ではなくて、個人対お客様の関係ができているところ。人と人とのコミュニケーションができているところだと思います。ですから制服も、着た人が愛着をもてて、その人らしさが滲み出るようなものが望ましいですよね。そのような商品開発をお願いしたいです。有木 立場は違いますが、働く女性を活気づけていくために協力し合っていければと思います。今日は本当にありがとうございました。話ではなく、打ち合わせだったという。市川さん、どうしたらいいでしょう?と。「皆さん、メモ帳とペンを持てばいいんですよ。自ずと姿勢もよくなるでしょうし、たとえ笑顔でも打ち合わせとわかりますよ」とお答えしました。別府 室町時代の武士の礼儀作法についての伝書に、「人の見ぬときを第一とするなり」というのがあります。人が見ていないときにこそきちんとしていれば、いつの間にかそれが作法として身に付いて、人が見ていてもいなくても自然にできる、ということです。最近、小笠原流宗家が『誰も教えてくれない 男の礼儀作法』という本を出したのですが、大変にご好評をいただいています。男性もきちんとした礼儀を学びたいと思われている方は、少なくないということでしょうね。有木 礼儀作法というとどうしても「カタチ」と思いがちですが、相手を思う気持ちが先にあってこそのものなのですね。リフィンもそうした気持ちを大切に、制服づくりをしていきたいと思います。別府 これからも、葬儀だけでなくすべての働く人の身になった制服、女性だけ小笠原礼法教授 別府 みさ子葬儀相談員 市川 愛リミット通販株式会社 企画チーフ 有木 美子小笠原礼法教授・総師範・マナーインストラクター。ビジネスサポート研究所代表として、礼儀作法、社員研修にあたる。葬儀相談員。お葬式の事前サポートを行う「リリーフ」を主宰し、2004年6月設立以来4,000件を超える質問・相談実績をもつ。リミット通販株式会社 取締役。企画室チーフとして、商品開発から広報までリフィンの顔として活躍。3児の母でもある。15

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