悩んでいる答えを探しに、百貨店に行きました。
まず行ったのは大好きなブランドショップ
春物に入れ替わった商品
大好きなスタンドカラー、しなやかなラインの中に
凛とした印象のお洋服は昨日入ったばかりとすすめて下さいました。
衝動に駆られそうになる心をぐっと抑えて
今日は見させていただくだけで・・・
向かいのお店は今テレビで放映されているカーネーションの
お母さんを持つデザイナーさんのブランドショップです。
大好きなスタンドカラーもありました。
でも、私の好きなラインではありませんでした
このラインが好きな方もきっと沢山いらっしゃるはず・・・。
どちらも中高年狙いのブランドです。
価格のこなれた商品もありました。
でも、土俵が違います。
ユニフオームは何故価格競争がおこるのでしょう。
それは個人嗜好で決まらないから
大勢の人が同じ物を着るから
きっとそれはコンセプトがないから
帰り道、めまぐるしく廻る頭の中
ひょっとして、競争するから!
「すごーい」
研修で見学した三菱自動車の水島工場、帰ってきた主人の第一声です。
組み立てラインの中で作業するロボットは一本の手を巧みに使い
細かい隙間へボルト、ねじを組み込みます。
一秒の狂いもなく、次の工程に流れていくのです。
ロボットから受け継がれた次の工程は人の手
人の手からロボットへ、流れるように、しなやかに
整備された工場が目に浮かびます。
時間との勝負、無駄口はいえません
トイレにも行けません
確実に自動車は数秒の狂いもなく、最高の品質のものが
組み立てられていくのです。
人は人としての知能を持ちながら
ロボットと同じタイムで管理されているように見えます。
機械の一部になってしまっているかのような人の手
達成感は何処にあるのでしょう。
それは、一人ひとりの研ぎ澄まされた心にあるのでは、
一人ひとり、自分の仕事に必死に取り組んだとき
言葉はいらなくなります。
立ち向かうのは自分の心、
研ぎ澄まされた心は、研ぎ澄まされた商品を生むのです。
二度染めした生地
しなやかで優しいタッチは、期待通りの仕上がりです。
大好きなスタンドカラー、何でも入る大きなポケット
ウエストまである長いスリット、
年齢と共に落ちていく肩を 姿勢よく見せる肩章と
思いをいっぱい詰めこんだサンプルが縫いあがりました。
全体的には思い通り、
でも、きりっと光るものがない
ちょっと袖を通して見たいな
ちょっと羽織ってみたいな
そんな、くすぐるものがない
思い切って知り合いをたずねてみました。
近い年齢の人たち
あっという間にデザイナーです。
見つけました、見つけました
きりっと光る一言を
素朴な素朴な疑問です。
また今夜も寝られません。
真っ暗だった暗闇にかすかな明かりが見えました。
仕事と戦い、人と戦い、自分と戦い
戦い続けた人生は緊張の連続です
いつも肩に力が入ります。
肩の力を抜いて一本の木になりなさい
風がふけば、ゆらり、ゆらりとゆれるのです
根っこを踏ん張り、負けないぞ、
風と戦ってはいないのです。
まけたら根っこから倒れてしまいます。
風にあわせてゆれる木は
やがて風が収まれば
また飄々とたつのです。
広がる台地のその中で一本の木になりなさい。
人もまた自然の生き物
太陽の豊かな恵みが降りそそぎます。
あるがままを受け入れた時
小さな明かりがともります。
私の命を救ってくれた教えです。
土曜日の朝、テレビで沖縄の久米島が紹介されていました。
豊かな自然、大地に降り注ぐ雨は豊かな湧き水となって
人々の生活に溶け込んでいました。
人々はこの水を
「山の汁」とよぶそうです。
生い茂った樹木
その根をしっかり抱える大地
大地から絞り出た汁は
豊かな自然をささえます。
今年も社長の年頭の挨拶と共に 新しい年が始まりました。
私たちは働く人たちに喜びと感動を与えるユニホームを作りたい
作り続けたい、それを使命としたい。
生い茂った樹木
その根をささえる大地
大地から絞り出たしるは
心の汗です、ちの汗です。
NHKの番組「ようこそ先輩」で東京スカイツリーを手がけられた照明デザイナーの
戸恒浩人さんが、子供たちに照明についてお話をされていました。
子供たちがその日に食べる給食。
部屋を暗くし給食にスポットが当たります。
すると、いつもの給食が浮かび上がって見えました。
それは、高級レストランのランチのようにも見えるのです。
光には必ず影の部分と光の部分がある
戸恒さんのつくる照明は少ない光で、影の力もうまく利用するのが特徴。
心に訴える照明に多くの光は必要ない。
あらゆる事に目を向け、あらゆる事に全力をそそぎ
いつも、張り詰めていた緊張の糸が切れたのは春の頃でした。
動かなくなった右手を
必死に持ち上げながら、
リハビリは続きます。
でも、何もかもではない世界
部分にしか当たらない光
だからわかる影の大切さ
そんなあたらない光の影を
みつめる人生も
また素晴らしいと思ってもらいたいのです。
前日テレビで放映されていた番組
故郷を離れて他の土地で暮らす、震災にあった子供たち
そんな子供達を勇気付けようと企画されたイベント
銭湯の壁画の書き方を、プロの人に教えてもらおう
子供達は震災前まで暮らしていた野や山
一緒に走り回った小学校の校庭
一人ひとりの思い出をつないで大きな壁画を描きました。
震災前まで、当たり前と思っていた野があり山がありました。
その時は何も感じなかった。
でも、
今あることが当たり前ではないんだね。
声を詰まらせながら、先生はお話をされました。
月曜日の朝
冷たくなった手をさすりながら、駆け込んだ工場
いつもの建物
いつもの通路
赤、紫、ピンク
休みの日に会社まで来て植えてくださった、かわいいパンジーの花達が
一段と輝いて迎えてくれます。
ただ ただ、あり難いと思うのです。
中国版NHKのドキメンタリー番組、フエイスを見ました。
もう一つの自動車革命
東京モーターショー、その中で異彩をはなっている車、
それはあえてエンジン技術に力を入れて開発したマツダの新型車だそうです。
エンジンの燃費率を、15%も上げることに成功したピストン
爆発を滑らかにするその技術は、加工する形状にありました。
微妙な形状を持つこのピストン、45もの工程を通ってより精密な精度を要求されます。
試行錯誤の末、目をつけたのはサンプル作成などに使われる マシニングセンターという機械
でも、一工程ずつ歯を付け替えなければならない為、ラインで流すより大幅に時間がかかります。
誰も見向きもしなかったこの機械に目をつけたのが、ライン設計の責任者
「自動車はラインで流さなければならない」
この常識をくつがえしたのです。
10工程以上を、一台でこなすマシニングセンターの改良
自動で針を付け替える交換ソフトの改良が、大幅な時間短縮を生みました。
開発責任者の人は語られます。
「皆、楽しんで仕事をしていました。これが成功したらパラダイスが待っている。」
多品種小ロットのリミットの工場。
でも、機械とは違って技術力の差は当たり前、
だからライン編成が必要です。
でもあえて、
「ライン編成が当たり前」
この枠をとりのぞいたら
どんな工場が見えてくるのでしょう。
今からわくわくするのです。
洗濯をしているお母さん
白いエプロンの裾を引っ張り 泣いているのは妹です。
泣き虫妹の
涙を拭いた、てぬぐいも
鼻水ふいた、ちり紙も
笑顔にした、飴玉も
何でも出てくるポケットは
エプロンの脇役です。
母さんのポケットは、不思議です。
甘えん坊の妹が
怒リンボの妹が
エンエン、泣き虫の妹が
寂しがり屋の私が
すっぽり入るポケットです。
妹の退院を祝って、姉妹でお墓参りに行きました。
嫁ぎ先のご先祖様、そのまた先のご先祖様
ルーツをたどってのお墓参りは
妹を病から救ってくれました。
朝、杖を付き腰をかがめ 体を丸めて歩いていた妹は
いつの間にか背筋が伸びています。
「はじめは、何も見えなかったんよ。」
4人が育った故郷の
田んぼの辺のお地蔵様
お墓参りのたびに立ち寄ったと妹たちの会話。
荒んだ庵を整え
水で清め
体を拭いてもらったお地蔵様は
まとっている袈裟、
手に持った数珠までくっきり見えるようになっていました。
「このお地蔵様、笑っていたんだね」
「ほんとだ」
故郷の空は、どこまでも青く
あおくひろがっていました。

