2012LIMITカタログ
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008着て下さる方にアドバイスできるそんなメーカーでありたいですね。 チーフ「カタログは生きた販売員」ですから何とか想いを込めたいと夢中でした。 室長【福山市新市町のリミット縫製工場】裁断から縫製、アイロン仕上げ、出荷までを一貫して行う。リミットの制服のほか、姉妹ブランド「リフィン」の高級セレモニーユニフォームの縫製も。【リミット研修センターにて】会長が「先祖の家」として建築し、重要な会議などだけに使用している。玄関前にリミット株式会社の前身「伸栄被服創業の地」の石碑。チーフ 私はカタログにかける室長の情熱をそばで見てきて、今すごくプレッシャーを感じているんですけれど、リミットのカタログって、販売店さんよりもどちらかというとエンドユーザーに向けて作られていますよね。それはどうしてですか?室長 それも会長の考えです。リミットには営業マンがいなかったので、カタログが販売員、生きた販売員だと。だからそのカタログへリミットの想いを込めたいと思って作ってきました。じゃあ、どうやって想いを伝えればいいのか。写真や表現方法だけで伝わらないところを、エンドユーザーさんの声を通して伝えようということで、取材という手法を早くから取り入れて試行錯誤でやってきました。社長 販売店さんとのコミュニケーションも、エンドユーザーさんとの情報交換も、どちらも大切だと思います。今回のカタログでも、以前取材に協力してくださった会社が再度、というのが2社もあり感謝しています。モデル写真や置き撮りは、確かに商品はきれいに見えますが、実際に着て働いている方にはかなわないと思います。チーフ やっぱり服は人が着てはじめて息が吹き込まれるという感じですよね。私はありがたいことに、取材などを通してエンドユーザーさんと直接お話しさせていただく機会が増えてきて、先日も介護施設へうかがったら「ちょうどよかった。三角巾を探していたのよ」と相談されて。「無地もいいですけど、柄のものも顔映りがいいですよ……」と。社長 プロのひと言がほしいんだと思います。室長 一般衣料は決定権が個人にあるけれど、ユニフォームはみんなでそろえて着るものだから、個人には決定権がない。そこにアドバイザー的なものが必要になってくるんでしょうね。社長 最後にお二人からわれわれに要望があればこの機会に。室長 入社したころはまだメーカーではなく下請けでしたが、その頃から会長はいつも夢を語ってくれていました。その夢にかけて、今日まで来られた気がします。社長にもぜひ、夢を語ってほしいと思います。会長 私の思想を引き継いでくれたことをうれしく思う。25歳で大病をした私が81歳まで生きてきたことも不思議だが、人との縁、いい人に助けられてきたこと。先祖がいい種まきをしてくれたということだと思っています。現状に甘んじず、未来のための種まきをしてほしい。企画チーフ 有木 美子現社長の妻として頼もしき片腕として、3児の母親として、また働く女性の一人として、「リミット」「リフィン」の企画リーダーを務める。企画室長 中根 敏恵得意な縫製をいかして1965年伸栄被服入社。以来、現会長からデザイン・企画を任され、室長として多くの制服とカタログを誕生させる。
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